この記事では、公認会計士のタイヘー(@yamazakitaihei)が、私が行ってきた公認会計士試験の勉強法をご紹介します。
公認会計士を目指す方の参考になればうれしいです。
目次
■勉強期間と成績
勉強期間
公認会計士試験の勉強を始めたのは、大学2年生の4月からです。合格したのは大学4年生の11月です。
ですので、2年半程で公認会計士試験に合格しました。
専門学校は大原でした。
大原にしたのは大手であるということと、通学定期が使えるということで決めました。
1日の勉強時間は3時間~10時間ほどです。
2年半の勉強時間を合計すると4,000時間程度になるかと思います。
成績
勉強1年目の大学3年生の5月に短答式を受験して、結果は不合格でした(ボーダー65%に対して、63%)。
勉強2年目で短答式・論文式に合格しました。短答式は78%、論文式は偏差値58でした。
画像は私の論文式の結果です。
■公認会計士試験の勉強法
ポイント
授業を受けるレクチャー期、答練が続く答練期、試験1~2カ月前の直前期に分けてお伝えします。
ただ、長いのでこの2点だけ覚えてください。これを意識すれば合格できます。
【ポイント】
・計算科目は、基本問題を確実に解けるように何度も練習する
・理論科目は、「なぜそのような条文や基準・規定になっているのか」を納得するまで理解する
公認会計士試験はみんなが解ける問題を確実に解ければ合格できる試験ですので、いかに基本問題を落とさず点数を取るかが勝負です。
そのため、計算科目は基本問題を確実に押さえましょう。
一方理論科目は丸暗記では絶対に通用しませんので、「なぜ?」の意識を強くもってテキストを読むことが大切です。
監査業務をしていると条文や基準・規定にないことについて判断しないといけないことが多く、そのためには今存在する条文や基準・規定の背景から考えることになります。
そのため、「なぜこの条文や基準・規定が存在するのだろう」と意識することは試験だけではなく後々の仕事にも活きてきます。
レクチャー期
①会計学
1-1:簿記
簿記については、テキストの例題と問題集を繰り返し説くことが基本です。
ここはどれだけ手を動かして計算に慣れるかというところがポイントです。
公認会計士試験では基本問題をいかに間違えずにできるかが勝負です。
逆にいうと、みんなができない難しい問題は試験で差がつかない問題になるので、解ける必要がありません。
みんなが解ける問題を確実に解けるように練習していきましょう。
1-2:財務諸表論
財務諸表論では、まずは授業をしっかり聞いて「分からないところをなくす」ことが先決です。
理論科目全般的にそうなのですが、「なぜそのような規定・法律」になっているかを理解できないと問題を解けないので、丸暗記は絶対にやめましょう。
テキストや法規集を読んで、納得できない部分についてはとことん講師や受験仲間に質問して理解しましょう。
理解できるようになったら、テキストや法規集を読んで肢別チェックなどの問題集を解いて、理解が正確に行えているか確認していきましょう。
1-3:管理会計論
管理会計論は原価計算とそれ以外の分野がありますが、レクチャー期では原価計算の計算をしっかりできるようにしましょう。
ここも簿記と同じでテキストの例題と問題集を繰り返し説くことが基本です。
パターンは限られているので、各パターンの計算を確実に行えるようにしましょう。
理論については、まだそこまで意識しなくてもよいです。
テキストを読んで不明点は講師や受験仲間に質問して理解しましょう。
②監査論
監査論は公認会計士試験特有の科目です。
実務を経験している今だと、かなり腑に落ちて理解しやすい科目なのですが、受験時代は監査経験がないので、理解することが難しいと思います。
基本的には授業を聞いてテキストを読んで、納得できない部分についてはとことん講師や受験仲間に質問して理解するというのが大切なのですが、監査論特有の話として「監査のどの場面の話をしているのか」を意識してテキストを読むことをお勧めします。
リスク評価手続の話なのか、リスク対応手続なのか。
リスク対応手続でも内部統制の運用評価手続なのか実証手続の話なのか。
そのような監査全体を意識してテキストを読めるようになるとかなり理解が進むと思います。
③企業法
企業法についても、まずは授業をしっかり聞いて「分からないところをなくす」ことが大事です。
法律はすべての条文で「なぜそのような条文が存在するのか」という理由がありますので、その理由をしっかり理解していくことが大事です。
例えば、機関設計で「なぜ公開会社の大会社は、会計監査人を設置しないといけないのか」とか、「なぜ株式の併合の時には株主総会の特別決議が必要なのか」とか。
理由がちゃんとありますので、その理由を確認して納得することが大切です。
丸暗記で乗り切ろうとしても、短答式はいけるかもしれませんが論文式は絶対無理です。
「納得するまで理解する」を意識しましょう。
④租税法
租税法は論文式だけの科目ということもあり、後回ししがちです。
ただ、計算については基本問題を確実に正解できるように練習しましょう。
理論は後回しで全然大丈夫です。
まずは計算できるようにしましょう。
⑤経営学
経営学については、レクチャー期ではあまり力を入れなくても大丈夫です。というか、手が回らないと思います。
経営学は短答後からでもどうにかなる科目ですので、レクチャー期では授業をしっかり聞いて不明点がないようにしておくぐらいで十分です。
答練期
答練期は各科目で答練がバンバン実施されるので、答練を受けるだけでも大変だと思います。
まずは、「答練を受ける」ことを目標にしましょう。
実際に時間を測って問題を解く練習は大切です。
答練を受けたらそのあとすぐに復習をしましょう。
答練で5点や10点などの低い点をとっても全然OKです。
実際私も10点前後のことなんて何回もありました。
へこみますが、答練で5点をとっても合格できますので全然大丈夫です。
解けなかった問題を復習して次に解けるようにしましょう。
①会計学
1-1:簿記
答練で間違えたor答えられなかった問題について、その答練の問題だけではなく、その分野のテキストの例題を解くようにして、漏れがないか確認していきましょう。
1-2:財務諸表論
答練で間違えたor答えられなかった問題について解説をテキストに貼って、テキストに情報を集約していきましょう。
そしてテキストを読み込んで理解を深めていきましょう。
その際決して丸暗記しないようにしてください。
「なぜ?」を意識することがポイントです。
1-3:管理会計論
計算については簿記と同様に、答練で間違えた問題について、その答練の問題だけではなく、その分野のテキストの例題を解くようにして漏れがないか確認していきましょう。
理論については、答練で間違えた問題の解説をテキストに貼って、テキストに情報を集約していきましょう。
そしてテキストを読み込んで理解を深めていきましょう。
②監査論
監査論についても答練で間違えたor答えられなかった問題について解説をテキストに貼って、テキストに情報を集約していきましょう。
後はそのテキストを読み込んでいきましょう。
③企業法
企業法については「解答の型」を学ぶ機会として答練を活用していきましょう。
企業法では、「条文型」と「論点型」の問題があります。
「条文型」は関連のある条文を指摘し、その趣旨を書いていくというもの。
「論点型」は事例問題で、主に、「問題提起→規範定立→あてはめ」というふうな流れで解答して行くものです。
このような「解答の型」は答練でないと学べないですし、実際書いてみないと身につかないので、答練をしっかり受けるようにしましょう。
④租税法
計算については答練で間違えたor答えられなかった問題について、その答練の問題だけではなく、その分野のテキストの例題を解くようにして、漏れがないか確認していきましょう。
理論については、短答後でもどうにかなります。
ですので、直前期に追い込みをかけられるように、答練解説をテキストに貼って情報をテキストに集約させていきましょう。
⑤経営学
経営学については「答練を受ける」ことを目標に取り組めば大丈夫です。
直前期で追い込みをかけられるように答練解説をテキストに貼って情報をテキストに集約させていきましょう。
直前期
直前期は、以下2つを意識して取り組みましょう。
・計算科目について、間違えた問題を再度解く
・理論科目について、情報を集約させたテキストを繰り返し読む。また、短答式直前については肢別チェックを繰り返し解く。
それから、体調管理も大切です。と言いますか体調管理こそが試験準備です。
公認会計士試験は試験時間が長い大変な試験です。
そのため当日の体調が非常に大切です。
ですので、直前の2・3日前は体調を整えることに専念しましょう。
直前で詰め込むよりも睡眠をしっかりとって体調整えたほうが当日点数とれます。
100%の力が発揮できるようにしましょう。